麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
迷宮へ…/その16
剣崎
車中、俺の頭は明日の夜、麻衣とケイコがあの部屋で行うことになる”儀式”がシュミレートされていた
それはどこか機械的で冷めたイメージで…
おそらく自分にそう押しつけてのことだろう
その場面は、間違いなくケイコが俺に出会わなければ辿り着くことはあり得なかったのだからな
いや‥、厳密には麻衣と出会わなかったらということになるのか…
いずれにしても、俺たちと出会うまでは普通の女子高校生だったこの子の運命を変えてしまうんだ
大げさでもなく、現実的にそういうことになる
そして明日の今頃はもう、ケイコを引き返すことのできない領域まで連れて行ってしまうんだ
そう考えると、俺の額からは冷汗が滲んできた
極道の世界で生きるこの俺が、こういった類の恐怖感を抱くことなどかつてなかったよ
明日は俺にとっても運命が変わる日なのかもしれない…
...
その夜の”公用”は日付が変わる寸前まで”コト”を要した
今俺の運転する車のバックミラーには、後部座席でどっかと胡坐をかいてる相馬会長が映っている
そこには数時間前、高校1年生の少女が座っていた訳だ…
「…いいか、剣崎。今夜、連中の見せた”顔”、読み違えるな。そして決して忘れるなよ」
「はい…」
会長の言った今夜の”連中”とは、関東直系有力組織の一角を有する田代組の田代組長とその幹部の二人ということになる
さらに、我々の前で見せた”顔”とは、相馬会長の体調をどう見とったかにある
”それ”を読み違えることは、連中の対相和会戦略を見誤ることに等しい
そして、この場合の”連中”となると、田代組以外の関東直系である東龍会、いや関東本家そのものという括りで理解しなくてはならないだろう
我々の立場としてはな…
...
この国のやくざ世界で、一匹狼たる我が相和会の対峙する相手が、要は日本を2分する広域組織の一方、関東丸ごとってことになるんだ
まさしく一匹の狼が熊の集団に面と向かってるに等しいんだから、ディープ極まる絵柄なのは言うまでもないさ
「…でよう、剣崎、おめえは俺の寿命、奴らはどう見たと思うんだ?」
俺はすぐに返答することを躊躇せざるを得なかった
”概ね1年”という言葉を…
剣崎
車中、俺の頭は明日の夜、麻衣とケイコがあの部屋で行うことになる”儀式”がシュミレートされていた
それはどこか機械的で冷めたイメージで…
おそらく自分にそう押しつけてのことだろう
その場面は、間違いなくケイコが俺に出会わなければ辿り着くことはあり得なかったのだからな
いや‥、厳密には麻衣と出会わなかったらということになるのか…
いずれにしても、俺たちと出会うまでは普通の女子高校生だったこの子の運命を変えてしまうんだ
大げさでもなく、現実的にそういうことになる
そして明日の今頃はもう、ケイコを引き返すことのできない領域まで連れて行ってしまうんだ
そう考えると、俺の額からは冷汗が滲んできた
極道の世界で生きるこの俺が、こういった類の恐怖感を抱くことなどかつてなかったよ
明日は俺にとっても運命が変わる日なのかもしれない…
...
その夜の”公用”は日付が変わる寸前まで”コト”を要した
今俺の運転する車のバックミラーには、後部座席でどっかと胡坐をかいてる相馬会長が映っている
そこには数時間前、高校1年生の少女が座っていた訳だ…
「…いいか、剣崎。今夜、連中の見せた”顔”、読み違えるな。そして決して忘れるなよ」
「はい…」
会長の言った今夜の”連中”とは、関東直系有力組織の一角を有する田代組の田代組長とその幹部の二人ということになる
さらに、我々の前で見せた”顔”とは、相馬会長の体調をどう見とったかにある
”それ”を読み違えることは、連中の対相和会戦略を見誤ることに等しい
そして、この場合の”連中”となると、田代組以外の関東直系である東龍会、いや関東本家そのものという括りで理解しなくてはならないだろう
我々の立場としてはな…
...
この国のやくざ世界で、一匹狼たる我が相和会の対峙する相手が、要は日本を2分する広域組織の一方、関東丸ごとってことになるんだ
まさしく一匹の狼が熊の集団に面と向かってるに等しいんだから、ディープ極まる絵柄なのは言うまでもないさ
「…でよう、剣崎、おめえは俺の寿命、奴らはどう見たと思うんだ?」
俺はすぐに返答することを躊躇せざるを得なかった
”概ね1年”という言葉を…