麻衣ロード、そのイカレた軌跡⓽最終話/魂の交尾
ファーストレジェンド~また猛る季節まで/その5
真樹子



こうなると人間って自信が付くもんね

勢いに乗って、私たちをバカにするグループなんかは思いっきり潰しにいったわ

そんな私は、何とか高校に上がったが、2か月で退学よ

でも皮肉なもんで、このことが返ってハクを付けちゃったみたいでさ

寄ってくる連中もさらにランクが上がって、本格的なズベ、スケバンとかばっかよ(笑)

だが私は中学時代に”学習”したことを忘れず、安易なツルミ合いは拒絶したんだ

一方で、私の周りに集まってくる年上の男達には、意識して好かれるような素振りを心がけてね

そしたら、アッという間に私はそんな男たちにかわいがられる、うーん、一種のアイドル的な扱いを受けるような立場を得ていたのよ

それこそ、そんな体験、生まれてこのかた初めてだったわね(苦笑)

...


そして、それをトラの威にして、さらに女達を従わせるという好循環を築いた

都県境の界隈では、私の特殊なポジションが次第に脚光を浴びて、私の”男人脈”は進化を遂げ続けたわ

その都度、ズベ連中から見た私のステータスはどんどん上に上がっていったようよ

うーん、さすがに気分は良かったわね、はは…

...

物心つくと嫌われものだった私が、意地と踏ん張りで、いじめられっ子の悪循環に陥ることを振り切り、自分の居場所を自力で獲得した…

そんな私は年下の子からは憧憬の目で見られ、他方、同年代や年上のズベグループからは敵視される立場となった

こんな立ち位置を、当時の私ははっきり捉えていて、自分のステップアップと共に”その敵”は徐々に増えてることも自覚していたわ

もっとも私に対しては、そいつらが一目を置いているのは伝わってきたし、その中から私に近づいてくる女も珍しくなかった

そんな時期、私は三田村峰子という女と出会うことになる…




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