再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
俺が警察庁に勤めていることや、初めて配属された警察署に佐波さんがいてお世話になったこと。それ以降も親しくさせてもらい、自宅に呼ばれて伺ったときに千晶と出会ったこと。その数年後に恋人になり、今は結婚して夫婦になったことを話した。
千晶の母親は笑顔で頷きながら俺の話に静かに耳を傾けていた。
「そう。じゃあ千晶は今幸せなのね」
ほっとしたように微笑む千晶の母親の瞳にはうっすらと涙の幕ができている。それを指で拭うと、俺に視線を向けた。
「母親失格の私が言うことではないけど。加賀美さん、千晶のことをよろしくお願いします」
千晶の母親が深く頭を下げる。
彼女が子供の頃の千晶を置いていったのは間違いないし、千晶を深く傷つけたことも許せない。
それでも目の前で俺に頭を下げる彼女が子供を捨てるような冷酷な女性にも見えなくて。
こうして顔を合わせて話をした感じだと千晶の母親は千晶を置いて家を出て行ったことを反省しているように見えた。千晶に会いたいというのも心の底からの願いなのだろう。
俺は再び千晶の母親に頭を下げてラウンジをあとにした。