再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています


「ひとりで会うのが不安なら俺も同席するよ。それなら会えそう?」


英介さんはどうしても私を母に会わせたいらしい。私だってその方がいいとは思っている。せっかく英介さんが母と会う場所を作ってくれたのだから。


「ひとりで大丈夫。母と会って話をする」

「そうか」


もちろん英介さんが隣にいてくれたら心強い。でも彼の優しさに甘えてばかりではいけない。母とふたりで会って話をしないと。



「――千晶?」



ふと聞こえた女性の声にハッと振り向く。

そこには上品なワンピースを着たすらりと背の高い女性が立っていた。

艶のある黒髪はさっぱりとしたショートカットで、凛とした目力のあるシャープな目元が印象的だ。


「お母さん?」


あの頃の母の姿を思い出すことができない。それでも目の前にいるこの女性が私の母親なのだろう。

英介さんがすっと席を立った。


「あとはふたりで話をして」


彼の手が私の頭をさっと撫でる。母に軽く頭を下げてからラウンジをあとにした。

英介さんが座っていた席に母がゆっくりと腰を下ろす。それから真っ直ぐに私を見つめた。


「来てくれてありがとう、千晶。あなたに会いたかった」


微笑まれて思わず視線を落としてしまう。膝の上に置いた両手をぎゅっと握りしめた。


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