再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「だからお父さんと離婚をして家を出た。本当にごめんなさい」
母の口から私を置いていった理由を教えてもらってもすっきりとした気持ちにはならなかった。結局、母は自分のために家を出たのだ。
「千晶。あなたを傷つけてしまったことをとても反省している」
「でも後悔はしていないでしょ?」
母がハッと息を呑んだ。
「私とお父さんを捨てて、お母さんは会社を立ち上げた。そのことに後悔はしていないでしょ。というか後悔しているなんて言ってほしくない。今のお母さんが幸せじゃないと私とお父さんもただ捨てられただけになるから」
より自分の輝ける場所を求めて母は家を出ていった。そう思った方が気持ちは楽だ。
「そうね、千晶の言う通り。反省はしていても後悔はしていないわ」
そう答えた母の凛とした瞳が真っ直ぐに私を捉える。
「でもこれだけは言わせて。お母さんは千晶のことが好きよ。本当は連れて行きたかったの。でもそうしなかったのはお母さんみたいな弱い人と一緒にいるよりも千晶はお父さんといた方が幸せになれると思ったから」
さっきまでは我慢できていたのにじわじわと目に涙がたまってくる。
たぶん私が母に会いたいと思ったのは私を置いていった理由を聞きたかったからじゃないのかもしれない。
『千晶のことが好きよ』
母にそう言ってほしかったからだ。