再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「ええ、そうね。お父さんとも会って話をするわ」
母は静かに頷いた。
時刻は午前十一時半。
そろそろ食事会の時間も迫っているので英介さんに連絡をした。
彼が戻ってくると母は深く頭を下げてから席を離れた。
母とは連絡先を交換したのでこれからはいつでも連絡が取れるし、会いたいと思えば会える。
少しずつ母との関係も改善していきたい。そしていつかまた父も含めた三人で会える日がくればいいな。
そんなことを思いながらラウンジを出ていく母の背中を見つめていると、隣から伸びてきた指に鼻をきゅっとつままれた。
「んっ」
英介さんが笑っている。
「お母さんとしっかり話ができたみたいだな。千晶の顔がすっきりしてる」
鼻をつまんでいた指が離れていく。
「英介さんのおかげだよ。ありがとう」
彼が母と会う時間を作ってくれたから会う決心がついた。だから彼には感謝している。
「英介さんに助けれてばかりだね、私」
再会してから今日までの日々を思い浮かべる。
手術を拒む父を説得してくれたのも英介さん。
母の会社の秘書たちにあとをつけられて怯えていた私を守ってくれたのも、商業施設内で窃盗犯に刃物を向けられたときに助けてくれたのも英介さん。
母と会うことに迷っていた私の背中を押してくれたのもやっぱり英介さんだ。
私はずっと彼に助けられている。