再会したクールな警察官僚に燃え滾る独占欲で溺愛保護されています
「加賀美さん、少しお時間ありますか」
「あるよ。このあとは特に予定もないから」
「それじゃあ私の話に付き合ってください」
父を慕い、こうして忙しい中お見舞いに来てくれた加賀美さんになら父の病気や手術を受けたくないと言っている現状について相談できるかもしれない。
つい頼りたくなってしまった。
「わかった。一階にカフェがあったよね。そこ行こうか」
なにか事情があると察してくれたのだろう。
歩き出した加賀美さんを追いかけながらそのあとに続いた。
病院の一階にあるカフェは車イス対応のテーブル席があるなど、患者とその家族の交流の場としても利用されていて、ゆったりとくつろげるスペースになっている。
天井から床まである大きな窓からは明るい日差しが差し込み、すぐ隣には緑豊かな中庭を見ることができる。
カウンターでそれぞれ注文した飲み物を持って窓際のテーブル席に腰を下ろした。
ホットコーヒーをひと口だけ飲んだあと、向かいの席に座る加賀美さんにさっそく話を切り出す。
「父の病気について知っていますか」
「いや、入院していると人伝に聞いただけで詳しくは。それで、病名は?」
「ガンです」
「ガンか……」
加賀美さんは小さく息を吐き出し、力が抜けたようにイスの背もたれに背中を預けた。
病名を聞いて言葉を失くしているのかもしれない。私も最初はそうだったから。