【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
「ふふっ。どちらかと言えば男性は、痩せている女性よりも適度にふっくらしている女性に惹かれると思うのです。わたくしの持論ですが」
「そ、そんなものかしら……」
「そんなものですよ?」
「それじゃ、もう少し健康的になれば……ジルベルトに……私……」
マリアがジルベルトに抱いている淡い恋心が、甘い香りを漂わせ始める。
「マリア様に夢中になられるはずです」
「む、夢中にだなんて!? 望んでいません、口に出すのも烏滸がましい事です!」
「烏滸がましい……?」
「ええ、烏滸がましいわ。所詮私は下働きの女ですから」
「今は違いますよね?」
「し、下働きではないですけれど……。お仕事をさせていただく使用人が、持って許されるような気持ちではありません」
「使用、人」
このマリアという人はすこぶる自己評価の低い方だと、ラムダは丸い眼を虚空に泳がせる。