【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
「ほらー、マリアちゃんが戸惑ってるだろう! ラムダ、君は僕にもっと敬意を示すべきだと思うが? って僕の執務室で、なんで君が僕よりも先に座ってんだよ」
「どうだっていいじゃないそんな事。心が小さい男って格好悪いわね」
「なんだと……? いくら君だって言って良いことと悪いことがあるだろう」
今にも火花を散らしそうな二人の剣幕に、マリアはわけがわからずたじたじとなる。
「あのっ。お二人とも、どうかお気持ちをおさめてくださいませ……っ」
心底困り果てるマリアを見て、フェリクスとラムダは互いに睨み合ったあと、ふぅと嘆息した。
「マリアちゃん、ごめん」
「申し訳ありません。わたくしが至りませんでした」
「ごめんね、本当に。これでも僕らはかつての学友なんだよ。友達と言うか、まぁ成績トップを競い合った《犬猿の仲》だけど!」
「犬猿のって、今必要?! ひとこと余計なのよ、あなたは。でもわたくしよりも少しだけ地頭が良ろしいようですわね? そこは認めます」
「君の方こそ。美術は卒業まで学年トップを貫いたろう? 僕がどう足掻いたって君には勝てなかったぞ」
——馴れ合いの理由……このお二人は。
なんだかんだおっしゃっていても、お互いを認め合っているのですね。
「お二人がそんなご関係だったなんて。では、ラムダさんはフェリクス様と年齢が同じなのですか?」
「彼女は二学年を飛び越える天才だ。だから今はちょうど二十歳、だよね?」