【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
喧騒を聞きつけた店主が店の奥からやってくる。頬を抑えるミアと怒りに震えるマリアを見て事態を悟ったのか、目を爛々とさせた店主がマリアの前に立ちはだかった。
「マリア……ッ、俺は置いてやってんだぞ? 役立たずのお前を! 仕事もろくに出来ねぇ奴が、逆ギレする権利なんかあると思ってんのか!」
店主は憤りで顔を真っ赤にしている。だがそれはマリアも同じだ。
「あなたは、雇い主失格です」
「あぁ?!」
「私のミスではないものを私に押し付ける。勝手に評価を決めて使えないと公言する。いざこざが起きても真実を見ようともしない。雇い主だと豪語するのに従業員の管理すら出来ないような人の経営するお店が、繁盛するはずがありません!」
マリアは怒りのままに想いをぶちまけた。
溜まっていた鬱憤を晴らしたのではない。これはマリアからの叱責だ。
「黙って聞いてりゃ、いい気になりやがって……」
図星を刺された店主が、拳を鳴らして近づいてくる。けれどマリアは怯まない。
「殴りたければ殴りなさい。私は、何ひとつ間違っていません!」