ー野に咲く花の冒険譚ー


血だまりを口の中に感じ,僕はそうだと舌を噛もうとした。

すかさず口の中に葉が侵入する。



「ジョンーっ!」



そんな哀しそうに呼ばないでくれ。



「お前には生きていて貰う。俺の世界が完璧なまま終わるまで。そうすればお前のリリィはきっとお前から離れることなど出来ないのだから。俺にとっての……こいつのように」



一緒にするな。

違う。

みてろ。



「リリィ,僕を捨てて……いけ。あいつを,バラだけでいい,殺せ」

「嫌だよ! わたくしちゃま達は一緒でしょ?! だって分かるもん! 離れたら,ジョン,死ぬ!!!!」



語気を強く,リリィは叫んだ。

憎たらしいメロディーが,その声すらもかき消してしまう。

そうだろうとも。

リリィが離れたなら,僕は死ぬ。

予想を外したあいつに不要だと殺されるか,ずっと叶わず生きてきた自死を選ぶ。

それでも,だとしても。
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