「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~

愚か者のことはどうでもいい

「皇太子はギルモアを攻め入らせる原因を作ったこと、これまで他国や災害から護ってきたはずの『大聖母』、つまりきみを追放してしまったこと、この二点において責任をとらされるだろうな。実際、皇帝は怒り狂っている。それなのに、皇太子はきみのせいだと、きみが責任と義務を投げだして消えたと主張し、きみに全責任をおしつけようとしたらしい。そこで、きみの家族だ。あっ、いや、元家族だね。きみを逃亡させたと爵位を取り上げるとかなんとかで揉めているそうだ」
「まぁ、そうだったのね。あの愚か者の言いそうなことだわ。その程度のお頭しかないんですもの。仕方がないわよね。ということは、わたしがまだ愚か者と婚約者だったとき、彼が堂々と浮気をしていた相手はどうなたのかしらね。それって、元義姉(あね)なんだけど」
「とりあえず、ウインザー公爵邸で無期限で謹慎させられているらしい。皇太子がそうさせた。『おれをそそのかした』罪、らしい」
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