12上の御曹司と女子高生は愛を育めない
「最初はな、その話をしたらみんな俺に哀れむような目で見たんだ。
だから自宅ですることになったと理由を言ったら思いきり祝われたよ」
「ちょっと待ってください!まさか私と付き合ってるって」
「言った。
随分年下の彼女の誕生日をするから、その日俺を残業させたヤツはただじゃおかないと」
どっから突っ込めば良いのだろう。
キリリと整った顔で言われたけれど、付き合ってるのをバラして良いとは思えないんだけど。
「現役女子高生と交際してるなんて言ったら不味いんじゃ無かったんですか?」
私の戸惑いなど見透かすように光生さんがテーブルに置いてあるコーヒーカップを取り、一口飲んだ。
その余裕な態度はどこからくるのか。
「随分年下、としか言ってない。馬鹿正直に話すわけ無いだろう。
ちなみに紫央里の両親にも申し訳ないが口外しないで欲しいと言ってある。
それでもバレる可能性はあるだろう。特に父親は側近に俺を見張らせているし。
だからもし俺の家族から接触があればすぐに連絡をくれ、迎えに行く。
それまで何も話さなくて良い」
急に厳しい現実を突きつけられた気がして、唇に力が入った。
交際しだしてまだわずか、でもそういう事も警戒しておかなければいけないわけで。