冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
「宗一郎は恋人はいないって言ってたから、熱愛疑惑を否定しないでほしいって話、気軽に頼んでしまったのよね。申し訳なかったわ。私が日本をたったら正式にエージェントから疑惑は否定するけど、自分の口からあなたにちゃんと言っておきたかったのよ」

「それは……、その」
 
どう答えればいいかわからなくて日奈子はあたふたしてしまう。

「私、か、彼女ってわけじゃ……」
 
その日奈子の反応に、美鈴が噴き出した。

「じゃあやっぱり宗一郎の片想いなのかしら? あの冷徹男が、随分苦戦してるみたいね。おかしい……!」
 
そう言って笑い続けている。
 
日奈子はますます真っ赤になった。

「しかも、あなた宗一郎の幼なじみなんでしょう? 私それを聞いて思い出したことがあるの。学生時代の彼のこと。……あの子たちの勘はあたったってわけだ」
 
日奈子にとっては意味不明なことを口にしている。
 
日奈子が首を傾げると、彼女は説明し始める。

「宗一郎とは学生時代からの付き合いなの。あの頃から彼、見た目はいいし九条家の御曹司だし学生時代からホテル経営に関わっていたから、女の子たちには人気で、常に彼女の席は皆に狙われていたの」
 
美鈴の言葉に日奈子は頷いた。
 
日奈子の目から見ても彼はずっとカッコよかった。

同じ学校に通ったことはないが、人気があって当然だと思う。
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