冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
彼の愛に包まれている、これが日奈子の幸せで、それ以外に幸せになる道はない。自分だって彼に負けないくらい深く彼を愛してるのだから。
言えない想いで胸をいっぱいにして日奈子は彼を見つめる。
自分の心に正直でいたいという美鈴の言葉がまた頭に浮んだ。
言ってしまおうか?
「日奈子?」
宗一郎が首を傾げる。
——でもまだ勇気が出なくて、日奈子は目を伏せた。
そして、思いついたことを口にする。
「今日、鳳さまのお母さまが、ホテルの方へみえたの。いつもはお会いにならないのに今日はお会いになって……」
「へぇ、会ったのか」
「お母さまが帰られた後にね、鳳さまがモデルも止めて駆け落ちするって話も聞いたの」
日奈子がそう言うと宗一郎が意外だというような表情になった。
「そこまで話したのか」
彼女の駆け落ちは、極秘事項。それをなぜ日奈子に言ったのだと思ったのだろう。
「宗くん、私たちのこと鳳さまに話したでしょう? だから……それで。宗くんとの熱愛疑惑は事実無根でお互いに恋愛感情はないって自分の口から私に言っておきたかったっておっしゃってた」
宗一郎がふっと笑った。
「彼女らしいな」
「宗くんの昔の話も聞いたよ。皆宗くんの彼女になりたかったっていう話」
その言葉に、宗一郎は肩をすくめた。
「大袈裟だな。べつに普通だよ」
「……でも、女の子が途切れなかったって話だけど」
「それも言い過ぎ。学生時代から、経営に関わっていたから、そんなに時間取れなかったし」
言えない想いで胸をいっぱいにして日奈子は彼を見つめる。
自分の心に正直でいたいという美鈴の言葉がまた頭に浮んだ。
言ってしまおうか?
「日奈子?」
宗一郎が首を傾げる。
——でもまだ勇気が出なくて、日奈子は目を伏せた。
そして、思いついたことを口にする。
「今日、鳳さまのお母さまが、ホテルの方へみえたの。いつもはお会いにならないのに今日はお会いになって……」
「へぇ、会ったのか」
「お母さまが帰られた後にね、鳳さまがモデルも止めて駆け落ちするって話も聞いたの」
日奈子がそう言うと宗一郎が意外だというような表情になった。
「そこまで話したのか」
彼女の駆け落ちは、極秘事項。それをなぜ日奈子に言ったのだと思ったのだろう。
「宗くん、私たちのこと鳳さまに話したでしょう? だから……それで。宗くんとの熱愛疑惑は事実無根でお互いに恋愛感情はないって自分の口から私に言っておきたかったっておっしゃってた」
宗一郎がふっと笑った。
「彼女らしいな」
「宗くんの昔の話も聞いたよ。皆宗くんの彼女になりたかったっていう話」
その言葉に、宗一郎は肩をすくめた。
「大袈裟だな。べつに普通だよ」
「……でも、女の子が途切れなかったって話だけど」
「それも言い過ぎ。学生時代から、経営に関わっていたから、そんなに時間取れなかったし」