冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
あまりにも驚きすぎて日奈子は返事もできなかった。
見合い話ということだけでも青天の霹靂なのに、相手の肩書きが立派すぎる。恐れ多いなんてものじゃない。間違いじゃないかと思うくらいだ。
「お茶の先生からのお話しなの。うちで娘のように可愛がってる子がいるって言って、ひなちゃんの話をしたら、お似合いじゃないかって話になって」
敬子がにこにことして話を進める。
なにも言えない日奈子の代わりに宗一郎が口を開いた。
「この男、知ってるよ。やり手というのは本当だ。ただし母さんが思ってるのとは別の意味で」
「……別の意味?」
敬子が瞬きをしつつ、宗一郎に聞き返した。
「ああ、この会社は何年かに一度、イメージモデルを起用する。そのモデルにことごとく手を出してるっていうので業界では有名だ。真面目で誠実そうな見てくれと社長の息子っていう肩書きに、若いモデルはころっと騙されるらしい。だがモデルが代わるたびに乗り換えるからそのたびに揉めるって話だ」
不機嫌に言い放ち、釣書を机に置いて腕を組んだ。
彼が口にした見合い相手の不穏な情報に、宗介と敬子が目を剥いた。
「ど、どうしてあなたがそんなことを知ってるのよ」
見合い話ということだけでも青天の霹靂なのに、相手の肩書きが立派すぎる。恐れ多いなんてものじゃない。間違いじゃないかと思うくらいだ。
「お茶の先生からのお話しなの。うちで娘のように可愛がってる子がいるって言って、ひなちゃんの話をしたら、お似合いじゃないかって話になって」
敬子がにこにことして話を進める。
なにも言えない日奈子の代わりに宗一郎が口を開いた。
「この男、知ってるよ。やり手というのは本当だ。ただし母さんが思ってるのとは別の意味で」
「……別の意味?」
敬子が瞬きをしつつ、宗一郎に聞き返した。
「ああ、この会社は何年かに一度、イメージモデルを起用する。そのモデルにことごとく手を出してるっていうので業界では有名だ。真面目で誠実そうな見てくれと社長の息子っていう肩書きに、若いモデルはころっと騙されるらしい。だがモデルが代わるたびに乗り換えるからそのたびに揉めるって話だ」
不機嫌に言い放ち、釣書を机に置いて腕を組んだ。
彼が口にした見合い相手の不穏な情報に、宗介と敬子が目を剥いた。
「ど、どうしてあなたがそんなことを知ってるのよ」