冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
「あらやだ、ひなちゃん、私ちゃんとあなたの事情はお話してるわよ。それでもお会いしてみたいってお相手だけ。ひなちゃんと九条家(うち)の血のつながりにこだわるようなお相手はこちらから願い下げだし」
「え? ……そうなんですか?」
「当たり前じゃない。そりゃ、血の繋がりがないならどうかな……とおっしゃることは多いけど、たいていは写真を見せるとぜひって話になるのよね」
ふふふと笑う敬子に、宗一郎が苦い表情になった。
「母さん、日奈子の写真をむやみやたらと人に見せるのはやめてくれ。なにかあったらどうするんだ」
「もちろん信用できる相手だけよ。可愛さは武器なんだからどんどん活用しなくちゃ。中身がいいのは私が保証するって言ったら、皆さん興味津々で……」
そのふたりのやり取りに、日奈子は目を丸くする。思わず口を挟んでしまう。
「家柄を気にされないお家もあるんですね」
「そりゃあるわよ。最近結構多いわよ? 良家の奥さま同士のつながりやお付き合いって、いいこと言い合いながら裏ではどろどろしているし、そういうしがらみのないお相手の方がいいっておっしゃる方もいるわ」
「そうなんですか」
答えながら、日奈子はチラリと宗一郎を見る。では、九条家はどうなのだろうという考えが頭を掠めたが、もちろん口には出せなかった。
「それにしても今日は失敗だった。宗一郎にバレちゃうなんて……。今日はひなちゃん早番だから宗一郎は迎えにいっていないはずってお父さんか言ったから電話したのに、まさか早番の日まで会いに行っているなんて」
「え? ……そうなんですか?」
「当たり前じゃない。そりゃ、血の繋がりがないならどうかな……とおっしゃることは多いけど、たいていは写真を見せるとぜひって話になるのよね」
ふふふと笑う敬子に、宗一郎が苦い表情になった。
「母さん、日奈子の写真をむやみやたらと人に見せるのはやめてくれ。なにかあったらどうするんだ」
「もちろん信用できる相手だけよ。可愛さは武器なんだからどんどん活用しなくちゃ。中身がいいのは私が保証するって言ったら、皆さん興味津々で……」
そのふたりのやり取りに、日奈子は目を丸くする。思わず口を挟んでしまう。
「家柄を気にされないお家もあるんですね」
「そりゃあるわよ。最近結構多いわよ? 良家の奥さま同士のつながりやお付き合いって、いいこと言い合いながら裏ではどろどろしているし、そういうしがらみのないお相手の方がいいっておっしゃる方もいるわ」
「そうなんですか」
答えながら、日奈子はチラリと宗一郎を見る。では、九条家はどうなのだろうという考えが頭を掠めたが、もちろん口には出せなかった。
「それにしても今日は失敗だった。宗一郎にバレちゃうなんて……。今日はひなちゃん早番だから宗一郎は迎えにいっていないはずってお父さんか言ったから電話したのに、まさか早番の日まで会いに行っているなんて」