冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
そう言って敬子は宗一郎を睨んでいる。
ふたりで会っていたことを咎められたような気分になって日奈子は気まずい思いで目を伏せる。
宗一郎が、父親を睨んだ。
「従業員のシフトを業務上の目的なく確認するのは規律違反ですよ、社長」
「お、お前だって、見てるじゃないか。遅番の日を確認してるんだろう?」
宗介がやや慌てて言い返した。
「俺には本人の同意がある」
言い切る宗一郎に、日奈子は思わず「え? 私……」と言いかける。
シフトを確認されることに同意した覚えはないし、むしろ『迎えに来なくていい』と何度も伝えていたような……。
でも宗一郎にじろりと睨まれて「いえ、べつになんでもありません」と答えて口を閉じた。
敬子が残念そうにため息をついた。
「ひなちゃんに不都合があるとしたら、このうるさい兄がくっついているところね……」
宗介が深く同意した。
「ああ、宗一郎を先に片付けないと、ひなちゃんの縁談に支障が出そうだ」
「宗くんに、お見合いの話はないんですか?」
思わず日奈子は問いかける。普通に考えたら彼が先だ。宗一郎は彼らの実子だし、年齢も日奈子より上なのだから。
ふたりで会っていたことを咎められたような気分になって日奈子は気まずい思いで目を伏せる。
宗一郎が、父親を睨んだ。
「従業員のシフトを業務上の目的なく確認するのは規律違反ですよ、社長」
「お、お前だって、見てるじゃないか。遅番の日を確認してるんだろう?」
宗介がやや慌てて言い返した。
「俺には本人の同意がある」
言い切る宗一郎に、日奈子は思わず「え? 私……」と言いかける。
シフトを確認されることに同意した覚えはないし、むしろ『迎えに来なくていい』と何度も伝えていたような……。
でも宗一郎にじろりと睨まれて「いえ、べつになんでもありません」と答えて口を閉じた。
敬子が残念そうにため息をついた。
「ひなちゃんに不都合があるとしたら、このうるさい兄がくっついているところね……」
宗介が深く同意した。
「ああ、宗一郎を先に片付けないと、ひなちゃんの縁談に支障が出そうだ」
「宗くんに、お見合いの話はないんですか?」
思わず日奈子は問いかける。普通に考えたら彼が先だ。宗一郎は彼らの実子だし、年齢も日奈子より上なのだから。