冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
唇にふわりと優しく触れる彼の温もりに、痺れるほどの喜びを感じて日奈子は甘い息を吐いた。
 
無意識のうちに、薄く開いた唇に彼はすかさず入り込む。

「んっ……」
 
日奈子はそれを甘美な喜びでもって受け入れる。
 
想いが通じ合った深いキスはなんて心地いいんだろう。
 
日奈子の中をくまなく触れる彼の動きに日奈子は一生懸命についていく。

言葉にできない深くて熱くて強い想いを、ふたり、混ぜ合わせる。
 
ふわりと感じる浮遊感と背中に感じる少し冷たいシーツの感覚に、目を開くといつの間にかベッドの上に寝かされている。

「日奈子……」
 
ゆっくり近づく宗一郎の視線に、日奈子の胸は痛いくらいに高鳴るが、彼は直前でぴたりと止まる。

「宗くん?」
 
キスの余韻から抜けずぼんやりとしたまま日奈子は首を傾げる。
 
宗一郎がチェストの上の母の写真をちらりと見て、気まずそうに咳払いをした。

「ちょっとここじゃやりづらいな。万里子さんに見られているような気分になる」
 
抱き起こされて、日奈子もチェストの上の写真を見た。

以前のように叱られているという感覚はないが、見られているという感じはする。

「そ、そうだね……」
 
盛り上がってしまったことを恥ずかしく思ってそう言うと、日奈子の耳に唇を寄せて、写真の母には聞こえないくらいのボリュームで宗一郎が囁いた。

「俺のマンションへ行こう」
 
目を伏せて、頬が熱くなるのを感じながら日奈子は頷いた。
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