冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
冷たいガラスに手をついて、日奈子は夜空の下ライトアップされたホテル九条東京を見つめている。

重厚でクラシックなデザインのこの建物を見ると日奈子はいつも胸が高鳴った。

歴史あるホテル九条で働いている自分を誇りに思うからだ。
 
でも今は、まったく違う想いで心がいっぱいで、心臓が痛いくらいに鳴っている。

これから自分に起こることを考えると、緊張で息苦しささえ感じるくらいだった。
 
日奈子のマンションで想いを伝え合った後、日奈子と宗一郎は彼のマンションへやってきた。

先にシャワーを使わせてもらって次にバスルームへ向かった宗一郎を寝室で待っている。
 
ゆっくりしててと言われたが、広くて大きな彼のベッドを直視することはできなくて、窓際に立ち東京の夜景を見つめている。

薄暗い静かな部屋でドキンドキンと大きな音を立てて鳴る自らの胸の音を聞きながら。
 
カチャリとドアが開く音がして、宗一郎が入ってくる気配がする。
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