冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
初夏の日差しが東京の街を照らしている。ホテル九条の一室で真っ白なドレスに身を包み、日奈子はそれを眺めている。
宗一郎と心も身体も結ばれたあの夜から半年が経ったこの日、結婚式に臨もうとしている。
宗一郎は、海外挙式を含めて本当に日奈子が望む通りにしたらいいと言ってくれたが、結局、日奈子の職場であるホテル九条東京で挙げることになった。
日奈子にはとってはそれが一番幸せなことだからだ。
憧れ続けた男性(ひと)と、大好きなこの場所で、結婚式を挙げられる自分はなんて幸せなんだろうと心から思う。
「それにしても、未だに信じられないよ。日奈子が副社長と結婚だなんてさ」
窓辺のソファに座る日奈子のドレスの裾を整えながら莉子がため息をつく。
日奈子はもう何度目かの謝罪の言葉を口にした。
「ずっと黙っててごめんね」
「謝らなくていいってば、ただ私は信じられないなって思ってるだけで」
一般社員のふりをして働いていながら、その実、九条家で育った人間だったなんて、裏切りだと思われたっておかしくはない状況だ。
申し訳ない気持ちで日奈子は告白したが、幸いにして彼女は驚きはしたものの明るく笑い飛ばしてくれた。
『今まで通り、私の趣味に付き合ってくれるなら許してあげる』
宗一郎と心も身体も結ばれたあの夜から半年が経ったこの日、結婚式に臨もうとしている。
宗一郎は、海外挙式を含めて本当に日奈子が望む通りにしたらいいと言ってくれたが、結局、日奈子の職場であるホテル九条東京で挙げることになった。
日奈子にはとってはそれが一番幸せなことだからだ。
憧れ続けた男性(ひと)と、大好きなこの場所で、結婚式を挙げられる自分はなんて幸せなんだろうと心から思う。
「それにしても、未だに信じられないよ。日奈子が副社長と結婚だなんてさ」
窓辺のソファに座る日奈子のドレスの裾を整えながら莉子がため息をつく。
日奈子はもう何度目かの謝罪の言葉を口にした。
「ずっと黙っててごめんね」
「謝らなくていいってば、ただ私は信じられないなって思ってるだけで」
一般社員のふりをして働いていながら、その実、九条家で育った人間だったなんて、裏切りだと思われたっておかしくはない状況だ。
申し訳ない気持ちで日奈子は告白したが、幸いにして彼女は驚きはしたものの明るく笑い飛ばしてくれた。
『今まで通り、私の趣味に付き合ってくれるなら許してあげる』