冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
やり直しなどという言葉を口にする彼に、日奈子は困って口を開く。
「やり直しなんて……」
そんなことをしても結論は変わらない。それよりも、また彼につらい言葉を言うのは嫌だった。
宗一郎が身体を起こして膝の上の日奈子の手に自らの手を重ねた。
「諦めの悪い男だと思うか? だがあのひと言で、引けるわけがないだろう。自分の気持ちに気がついたのは三年前だが、その前からずっと、記憶にある限り俺は日奈子を大切に思ってきたんだから」
「宗くん……」
日奈子の視界がじわりと滲む。
兄のような存在として、彼はいつも日奈子を慈しみ大切にしてくれた。
親戚がおらず母ひとり子ひとりだった日奈子が、幼少時代、寂しい思いをすることがなかったのは彼の存在が大きかった。
「結婚……できなくても、私にとっても宗くんが大切なことに変わりはないよ。誰よりも……これからもずっと」
きっぱりと断るなら、きつい言葉を口にするべきだろう。少しも望みがないと伝えるべきだ。
でも今まで彼が日奈子してくれたこととふたりの幸せな思い出を、否定するようなことは言いたくなかった。
宗一郎が目を細めてわずかに微笑む。そしてすぐに、切実な色を浮かべた真剣な眼差しを日奈子に向ける。
「だから日奈子、もう一度考えてみてほしい。俺に、チャンスをくれ」
「チャンス……?」
彼は頷き、重ねた手に力を込めた。
「一度は断られたんだ。日奈子のためを思うなら、兄としての自分に戻るべきだとわかっている。だけど男として日奈子を愛する気持ちは俺の中で一生消えない」
「やり直しなんて……」
そんなことをしても結論は変わらない。それよりも、また彼につらい言葉を言うのは嫌だった。
宗一郎が身体を起こして膝の上の日奈子の手に自らの手を重ねた。
「諦めの悪い男だと思うか? だがあのひと言で、引けるわけがないだろう。自分の気持ちに気がついたのは三年前だが、その前からずっと、記憶にある限り俺は日奈子を大切に思ってきたんだから」
「宗くん……」
日奈子の視界がじわりと滲む。
兄のような存在として、彼はいつも日奈子を慈しみ大切にしてくれた。
親戚がおらず母ひとり子ひとりだった日奈子が、幼少時代、寂しい思いをすることがなかったのは彼の存在が大きかった。
「結婚……できなくても、私にとっても宗くんが大切なことに変わりはないよ。誰よりも……これからもずっと」
きっぱりと断るなら、きつい言葉を口にするべきだろう。少しも望みがないと伝えるべきだ。
でも今まで彼が日奈子してくれたこととふたりの幸せな思い出を、否定するようなことは言いたくなかった。
宗一郎が目を細めてわずかに微笑む。そしてすぐに、切実な色を浮かべた真剣な眼差しを日奈子に向ける。
「だから日奈子、もう一度考えてみてほしい。俺に、チャンスをくれ」
「チャンス……?」
彼は頷き、重ねた手に力を込めた。
「一度は断られたんだ。日奈子のためを思うなら、兄としての自分に戻るべきだとわかっている。だけど男として日奈子を愛する気持ちは俺の中で一生消えない」