鬼社長の迸る視線に今夜も甘く絆される
ちょっと意地悪っぽく、それでいて色気のある眼差しが向けられる。
「授かれるんであれば、いつかは欲しいかな。……いっくんは?」
「栞那の子供なら可愛いだろうな」
「ンフフッ、いっくんの子供なら、絶対美男美女だよ」
「ハハッ、……じゃあ、つくるか?」
「え?……籍も入れてないのに?」
「明日にでも入れるか。いや、今から入れに行くか?」
「へ?」
婚姻届自体は少し前に書き終えている。
証人の欄に、私の父親と三井さんの御父様に書いて頂いた。
後は出すだけなんだけれど。
「出張から戻って来てからでいいよ」
「……そうだな」
「結婚しても、仕事続けていいの?」
「別に俺は気にしない」
「っ……」
「出張から戻ったら、ちゃんと話そうか」
「ん」
ポンポンと優しく頭を撫でられた。
「で、気に入ったのがあったのか?」
「気に入ったとかではないんだけど、マタニティウェアの機能性に感動しちゃって」
「あ~うん。母親になるということは、自分の“着たい”という欲だけでは済まないよな」
「初めて見たから、ちょっと感動ものだよ」
「そっか」
「他も見ていい?」
「いいよ」
まだ未開封のパッキンを開けた、次の瞬間。
二人の視線が同時に固まった。
「……着てみるか?」
「っっ……いっくんの作品じゃないじゃないっ」
「別に構わないだろ」
「無理ッ!こんなの着れないっっっ」
「何で?ちゃんとした売り物だぞ」
「っっっ、こんな防御力のないもの、どうやって着れっていうのよっ」