鬼社長の迸る視線に今夜も甘く絆される
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伊織と三井は日本時間十四時過ぎに羽田空港に到着し、その足で会社へと向かう。
「三井、会社に着いたら上がっていいぞ」
「……ご自宅までお送りします」
「いや、いい。家族がいるんだから、少しでも早くに帰ってやれ」
「……お気遣いありがとうございます」
二週間近くも家を空けたら、家族だって寂しがるだろう。
年中夜遅くまで仕事をさせ、しょっちゅう出張だと駆り出しているのだから、帰れる時くらいのんびりさせてやりたい。
会社に到着すると、久しぶりの感覚に陥る。
二週間近く雄大な景色を眺めて来たからか。
この忙しい感じがまた何とも言えないほどに落ち着く。
根っからの仕事人間だな、俺は。
不在にしていた間に受信したメールをチェックし、専務や常務らの報告を受ける。
年度末セールは予想を超えた売り上げを記録し、在庫ロスも最小限に抑えられた。
「片瀬、新入社員の配置予定は済んでるのか?」
労務兼人事部長の片瀬 実里(四十三歳)から新入社員研修の予定内容が記された書類を受け取る。
「大まかな配置案は組みました。後は研修後に決める予定です」
「今年は何人だっけ?」
「十三人です」
「楽しみだな」
「そうですね」
女版三井とも言えるこの女は、容赦ない物言いで社員から恐れられている。
愛想笑いすらせずに、淡々と仕事をこなす姿は、お局様を通り越してメドューサと呼ばれるほど。
セクハラ、モラハラ、パワハラはもちろんのこと、過労働やコスト削減などに関しても徹底的に目を光らせる凄腕で、コンプラ専門の守護神とも言える。
「来年度も宜しくな」
伊織と三井は日本時間十四時過ぎに羽田空港に到着し、その足で会社へと向かう。
「三井、会社に着いたら上がっていいぞ」
「……ご自宅までお送りします」
「いや、いい。家族がいるんだから、少しでも早くに帰ってやれ」
「……お気遣いありがとうございます」
二週間近くも家を空けたら、家族だって寂しがるだろう。
年中夜遅くまで仕事をさせ、しょっちゅう出張だと駆り出しているのだから、帰れる時くらいのんびりさせてやりたい。
会社に到着すると、久しぶりの感覚に陥る。
二週間近く雄大な景色を眺めて来たからか。
この忙しい感じがまた何とも言えないほどに落ち着く。
根っからの仕事人間だな、俺は。
不在にしていた間に受信したメールをチェックし、専務や常務らの報告を受ける。
年度末セールは予想を超えた売り上げを記録し、在庫ロスも最小限に抑えられた。
「片瀬、新入社員の配置予定は済んでるのか?」
労務兼人事部長の片瀬 実里(四十三歳)から新入社員研修の予定内容が記された書類を受け取る。
「大まかな配置案は組みました。後は研修後に決める予定です」
「今年は何人だっけ?」
「十三人です」
「楽しみだな」
「そうですね」
女版三井とも言えるこの女は、容赦ない物言いで社員から恐れられている。
愛想笑いすらせずに、淡々と仕事をこなす姿は、お局様を通り越してメドューサと呼ばれるほど。
セクハラ、モラハラ、パワハラはもちろんのこと、過労働やコスト削減などに関しても徹底的に目を光らせる凄腕で、コンプラ専門の守護神とも言える。
「来年度も宜しくな」