悪役令嬢モノの悪役ヒロインに転生してしまった(嘘だと言って!)
「そうだ!今日は私の魔力鑑定があるんだったよね?急がなきゃ!」

 魔力鑑定とは、この国の、平民を含めた今年で10歳になった子供たち全員の魔力の有無、属性などを調べるものだ。これは国民の義務になっていて、子供を参加させないと何らかの罰がある。

 属性には火、水、風、地、電気の5大魔法と、珍しいが光、闇などがある。そして、1つの国に5人だが聖属性がある。基本的に人は1つ〜3つの属性持ちで、聖属性持ちの女性は聖女候補、男性は神官となる。

 ちなみに闇魔法は悪いものではなく、例えば瞬間移動、サイコキネシス(物体移動)などを使うことができる属性だ。人を呪ったり不幸にしたりする魔法は、呪いと呼ばれている。

 今日は、昨日10歳の誕生日を迎えた私の、魔法の有無や属性を調べに、教会に行くことになっていた。

「午後6時にやるやつだろ?だったら、もう少しぐらい…」

「だめよ!女にはいろいろな準備があるんだから。それに、教会って遠いの、わかってるでしょ?」

「はぁい…」

 落ち込むお兄ちゃん。まあ、仕方ないよね。
ご飯を食べ終わった私達は、使用人たちと出かける準備をするため、いそいそと自室に戻っていった。
< 11 / 52 >

この作品をシェア

pagetop