ラブ・ジェネレーション

話したいことは沢山あっても言葉にできない、翔琉もきっと同じだ、
余りにも二人で過ごした時間が長過ぎて、思い出が多過ぎて、何を話せばいいのかも分からなかった、
口にすれば未練が募る、引き留めたくなる、、結局それ以上は何も言えず翔琉は電話を切った。

覚悟していた、
前の別れとは違う、今度の別れは永遠かもしれないって、



一週間後、

夕方六時、あらかじめ聞いていた飛行機の時間が迫っていた、

最後にもう一度翔琉の声が聞きたいと願う、
それで思い出に変えるから、いいよね、もう一度だけ、、

震える指先で、スマフォを操作して発信、、呼び出し音が小刻みに胸を揺さぶる、

もう、すでに私の目からは悲しみが溢れていた、

「もしもし、結衣?」

「ご、ごめんね、もう一度翔琉の声が聞きたかったの」

「そうか、ありがとう、嬉しいよ」

「翔琉、、頑張ってね、夢が叶うといいね、此処で応援してるから」

「また向こうに着いたら電話するから、いいだろ電話ぐらい」

「うん、待ってる」

「ゆ、結衣……」

「なに、、」



「本当は、俺が幸せにしたかった、、」

一気に涙が溢れて、、言葉に詰まってしまう、
悲しみが口から漏れそうで慌てて手で塞いでいた、

今ならまだ間に合うかもしれない、
泣いて引き止めたら、、翔琉のことだ、私のところに絶対戻って来てくれる、

い・か・な・い・で

そのたった一言が、どうして言えないんだろう、、



「ご、ごめん、ね、、翔琉、」

「元気でな、、結衣」

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