【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 婚約者決めの苦労をしていないのは、シュトラウスも同じだった。
 そろそろ相手を探そうか、と考え始めた頃にフレデリカとの縁談が持ち上がり、すぐに決まったため、やはりシュトラウスにも、アルフレドの苦悩のほどはわからない。
 フレデリカと同じく、軽々しく口出しはできそうになかった。
 すっかり俯いてしまったフレデリカの肩に、シュトラウスがそっと触れる。

「……アルフレド様が、きみのことを大好きな理由がよくわかるよ」
「え?」

 側妃の娘であるフレデリカ。
 早くの婚約を強いられるほどに、彼女の立場が悪くなったのは、正妃とのあいだに男児が生まれたからだ。
 二人の王子はなにもしていないが、彼らが悪いわけではないのだと、全員が全員、しっかり線を引けるわけではないだろう。
 フレデリカは、後から生まれた王子たちを憎んだり疎んだりするどころか、その気持ちや苦悩に寄り添おうとし、心から彼らの幸福を願っている。
 お前のせいだ、と弟たちを責めても無理のない状況なのに、彼女は家族を愛していた。
 弟たちが、フレデリカのことを大好きになるのも、当然というものだろう。

「……きみの家族になれる俺は、幸せ者だな」
「な、なに、急に、もう……!」

 弟の話をしていたら、いきなり褒めちぎられて。
 嬉しさと恥ずかしさから、フレデリカはシュトラウスから距離をとるように、早足で進んだ。
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