【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
「ご、ごめん。そんなつもりはなかったんだが……。あー……ええと……。あと、ドレスの汚れだけでも、はらわせてくれないか?」
「ん……」

 頬を蒸気させたままのフレデリカが、控えめに頷いた。
 シュトラウスもこの状況に焦っているが、フレデリカはフレデリカで、一人で勝手に反応してしまったことが、恥ずかしくてたまらない。
 シュトラウスに汚れを取ってもらうあいだ、フレデリカはなにも言えなかった。



 そこまで終わったら、城へ向かって歩き出す。
 転んだばかりのフレデリカを気遣い、シュトラウスが彼女を抱き上げて運んでいる。
 羞恥から一度は断ったのだが、シュトラウスがあまりにも心配するものだから、フレデリカが折れる形となったのだ。
 城に着いたらすぐに医師に診てもらい、手当をして。
 手当が済んだころ、二人は両家の父に呼び出された。

 聞くに、結婚式を挙げる場所については、今回は決められなかったそうだ。
 だが、式の件を除けば、大体は話がまとまったようだった。

 父たちの話は、大体こんな内容だ。

 結婚までと結婚後、シュトラウスはこれまでと変わらず王城勤務。
 フレデリカについても、シュトラウスが王城に勤めているあいだは、次期公爵の妻としての務めを果たしながら、王女としての仕事も一部継続していく。
 結婚後の住処については、王城の敷地内であれば、二人の好きにしていいとのこと。
 いずれはシュトラウスがストレザン公爵家の当主となるため、彼がストレザン領に戻るタイミングで、フレデリカも移動する。
 結婚式の会場は決まっていないものの、指輪や衣装についての打ち合わせははじめてもいい。

 結婚そのものは決定しているが、式の段取りができないため、入籍はまだ先になる。
 親の都合で迷惑をかけてしまうが、それまでの期間、婚約者として仲を深めて欲しい。

 王たちの言葉に、フレデリカとシュトラウスは頷いた。
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