【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
「……突然すまなかった。結婚指輪はしっかり打ち合わせをしたうえで用意するから、今はそれをつけていてくれないか?」
「う、うん……。それはいいけど……。急にどうしたの?」
「……きみのことが、前から心配だったんだ。さっきの男の件でそれが爆発して、衝動的になってしまった」
「……心配?」

 小さく頷いたシュトラウスは、フレデリカの手を取り、落ち着ける場所へと移動する。
 彼が選んだのは、街中を流れる川の前のベンチ。
 今日は天気がよく、日の光が反射して、水面はキラキラと輝いていた。
 風も気持ちがいい程度の強さで、穏やかで暖かい良い日だ。
 しばらく無言で川を眺めていたが、ようやく腹を決めたようで、シュトラウスが口を開いた。

「……フリッカ。きみは美しい」
「へ? な、なに!? 今日はどうしたの!?」

 動揺するフレデリカの隣で、シュトラウスは話を続ける。

「きみの美しさは、多くの男を魅了する。きみにそのつもりがなくとも、心奪われる者は多い」
「……?」
「これまでに、異性とのことで危ない場面があっただろう? 大前提として、己の欲や悪意を抑えることができない人間が悪い。きみは被害者だ。……だが、きみがきれいすぎるあまりに、男が狂うのも事実だ。フリッカが悪いわけじゃない。きみを責めたいわけでもない。ただ、事実として、そうなんだ。さらにきみには、立場もある」
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