【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 食事を終えたフレデリカは、早速、親しい人への報告へ向かう。
 まずはアルフレドの元へ向かうと、彼からは祝福の言葉をもらった。
 次はルーナのところへ。
 やはり彼女も、ぱあっと表情を輝かせて、「おめでとう!」と自分のことのように喜んでくれる。
 お互いに時間があったため、そのままお茶会へ。
 ルーナが留学してきたときからここまで、二人のガールズトークはずっと続いている。
 しかしそれももう、終わりが近づいていた。

「式は、3か月後ぐらいになるみたい」
「じゃあ、私はもう帰国してる時期ね。でも、絶対絶対呼んでよね! どこにいたって駆け付けるんだから!」
「ふふ、ありがとう。決まったらすぐに招待状を出すね」

 ルーナは、隣国ハリバロフからの交換留学生だ。
 留学期間は、1年。彼女の帰国は、すぐそばまできていた。
 フレデリカとシュトラウスの仲を応援し、親友としてそばにいてくれたルーナ。 
 彼女が帰国してしまうことは、寂しくてたまらないが、なにも一生会えなくなるわけではない。
 ルーナは友好国の姫で、留学前から付き合いがあり、仲もよかった。
 元の形に戻るだけ。この1年が特別だっただけだ。

「……本当に、おめでとう。シュトラウスとは、もう大丈夫なのよね?」
「……うん。愛されてるって、自信を持って言えるよ」
「そう。よかったわ。フリッカ。幸せにね」

 青い瞳を細めながら、穏やかに言葉が紡がれる。
 ルーナは、フレデリカの幸福を、心から祝福してくれている。
 そう思える、わかるのに、どうしてか、彼女が少し、悲しそうに見えた。
 いつものルーナなら、もっと元気に「めでたいわ~!」と言いそうなものである。

「ルーナ……?」

 ルーナの表情に、言葉に、なんとなく、違和感があった。
 どうかしたの、という意味を込め、フレデリカはルーナを見つめる。
 ルーナはただ微笑み、フレデリカを祝福するのみで、なにも話してはくれなかった。
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