【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 アルフレドは、言葉を失った。
 そんな彼に困ったように笑いかけて、ルーナは話を続けていく。

 ルーナの婚約相手は、リエルタのもう1つの隣国・イヴェルク王国の公爵家の嫡男、テネブラエ・センハイト。
 彼女の母国・ハリバロフから見れば、リエルタはハリバロフとイヴェルクの間に位置する。
 テネブラエとは、国の行事で何度か顔を合わせただけだそうだ。
 元々、ルーナの婚約者候補にはあがっていたが、留学中の彼女になんの断りもなく、勝手に決まってしまったらしい。
 国家間の関係強化のために自国の姫を差し出す、政略結婚だった。
 先日、婚約者が決まった旨を知らせる手紙が届いたばかりなのだと、ルーナはなんてことのないように言った。

「……相手は、どんな人なの?」

 アルフレドの声は、震えていた。

「……自分の意思がしっかりしていそうな、素敵な人よ」

 本当は、ルーナはテネブラエのことが、少し苦手だった。
 他者に対して高圧的で、ルーナに対しては値踏みするような視線を遠慮なく向けてくる。
 上から下まで舐めまわすように見られたあと、容姿を褒められたときには、逃げ出したくなったものだ。
 けれど、婚約が決まった相手に対してそんなことは言えないから、ルーナは「素敵な人だ」と彼を肯定した。
< 132 / 183 >

この作品をシェア

pagetop