【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
「きみを危険に晒すぐらいなら、結婚式なんてやりたくない。きみが一番大事なんだ。国としての考えなんかより、きみが」
「シュウ……」

 フレデリカが、シュトラウスと二人のときに素の姿を見せることができるのなら、それはシュトラウスも同じこと。
 シュトラウスは、これまで数度、フレデリック王に式の中止を申し入れてきたが、ここまで本音をさらけ出してはいない。
 屈しはしない、予定通り行う、と言われてしまえば、それ以上意見することはできなかった。

 国として、屈した前例を作ってはいけないと理解できるのだ。
 さらに今回は、密告と思われる手紙を読み解いて、王女暗殺計画という答えを導き出しただけであり、確たる証拠があるわけでもない。
 だからなおさら、中止どころか、既に公表済みの予定を大幅に変更することもできなかった。

 シュトラウスだって、第二の王家とまで呼ばれる公爵家の次期当主だ。
 国中の者が知るこの結婚式を、中止も変更もできないと、わかっている。
 理解はできる。けれど、感情が追い付かない。
 狙われているのは、シュトラウスの最愛の人。
 守り続けると、13年前からずっと決めていた人。
 彼女が危険に晒されるとわかっていて、平気でいられるはずがなかった。
< 146 / 183 >

この作品をシェア

pagetop