【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 窓の外には、夜の闇が広がっていた。
 カーテンの隙間から差し込む月明かりが、ベッドに散ったフレデリカの銀糸を、幻想的に浮かび上がらせる。

「ん……」

 広いベッドの上で、フレデリカが寝息をたてていた。
 毛布はかかっているが、その下には、一糸まとわぬ姿がある。
 愛する人と身体を重ねたあと、疲れて眠ってしまったのだ。
 シュトラウスの手で身体を清められているから、あまり気持ち悪くはないだろう。
 そこに、シャワーを浴びたシュトラウスが戻ってくる。
 頭からタオルをかけ、上半身は裸のままの彼がベッドに腰掛けると、二人分の体重を受けたベッドがぎし、と音を立てた。
 
 今日、シュトラウスは初めて、フレデリカと直に触れ合った。
 気持ちが高ぶり、もっと深く彼女と愛し合いたいと思ったのだ。
 もちろん、本人の許可は得ている。
 二人は結婚を間近に控えており、仲も良好。
 お互いの仕事と彼女に迫る危険の関係で、今のところは新婚旅行の予定もなかった。
 もしものことがあっても、問題にはならないだろう。
 まあ、アルフレドには、もう少し待てなかったのかと、一発殴られるかもしれないが。
 それでもシュトラウスは、どうしても今この時に、フレデリカを感じたかった。

 眠るフレデリカの頬に触れると、桃色の唇から「んう……」と悩ましい声が漏れる。
 髪色と同じ銀のまつげが動き、瞳が開かれる。

「シュウ……?」

 現れた青の瞳はまだぼうっとしており、ぱちぱちと数度またたきをしてから、再び閉じられた。
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