【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 王の言う通り、アルフレドは既に、手紙の差出人が誰なのか理解していた。
 本当は、一通目の時点でわかっていたのだ。
 これは、ルーナから送られてきたものであると。
 筆跡は少し変えてあったが、アルフレドにはすぐにわかった。
 長年彼女に片思いしてきたのだ。ちょっとやそっとでは、アルフレド相手に正体を隠すことなんてできはしない。

 それに、毎回封筒に貼られている青いシール。
 ルーナの髪色と同じそれは、アルフレドに対して、自分からの手紙であると主張しているように思える。
 おそらくだが、アルフレドに差出人を知られるぶんには問題ないのだろう。
 彼女が懸念しているのは、きっと、嫁ぎ先であるイヴェルク王国の人間に、密告の事実を知られることだ。

 ルーナは今、婚約者のいるイヴェルク王国で暮らしているはずだ。
 そんな彼女から、フレデリカが危ない、狙われている、ととれる内容の手紙が届くということは……。
 イヴェルクの人間が、リエルタの王女であるフレデリカの暗殺をもくろんでいることになる。
 これが事実であれば、大きな国際問題に発展する。最悪の場合、戦争が起きるだろう。
 姉のため、ルーナのため、国のため。暗殺は、絶対に阻止しなければいけなかった。


「……アルフレド様。遠距離から狙うことができ、持ち物検査もクリアできる武器について、心当たりがあります」

 ぐっと拳を握るアルフレドに声をかけたのは、シュトラウスだった。
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