【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 テネブラエは、ルーナをリエルタの姉弟から解放することを望んでいる。
 流石の彼も、王女暗殺についてはっきり話すことはしないが、言葉の端々から、計画の形が見えてくる。
 結婚式の際、王城の庭が解放され、フレデリカがバルコニーに姿を現すタイミングを狙い、王女を暗殺。
 そうすることで、ルーナを縛る人間が一人減る。
 フレデリカを殺せば、姉を愛するアルフレドは苦しむ。
 愛する人を失う苦痛を味わわせることが、彼への罰になると考えているようだった。

 
 テネブラエの話を聞いた限りでは、この暗殺計画は私怨で動いているように思えた。
 けれど、テネブラエの憎しみを利用して、彼を操る者がいないとも限らない。
 下手をすれば、裏にいるのがイヴェルクという国である可能性も存在している。
 そうなると、ルーナがイヴェルクの人間を信用することもできなかった。
 イヴェルク王国が主導する計画だというのに、イヴェルクの人間に助けを求めてしまった場合。
 アルフレドたちになにも伝えられないまま、ルーナは消されるだろう。

 故郷のハリバロフも、ルーナにとって安心できる相手ではない。
 密告をしたって、真意に気が付いてもらえると思えない。
 わかってもらえたとしても、知らないふりをされるかもしれない。

 ルーナが頼れるのは、信じられるのは。狙われている当人である、アルフレドたちだけだった。
 返信などできるはずもないから、手紙が無事に届いているのかどうかすら、ルーナは知らないままだ。
 けれど、自分にできることをするしかなかった。
 大切な人たちの無事を願い、彼女は今日も、婚約者に笑顔を向ける。
 
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