【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 準備を終えた二人が、新郎新婦の控室に移動し、甘い時間を過ごしている頃。
 王城には、挙式や披露宴の参加者が続々と到着していた。
 庭の解放はまだ先だが、なるべくいい位置で新郎新婦を見るためか、王城周辺では既に民が列をなしている。
 予想されていたことではあるが、やってきた民衆の数は凄まじく、手荷物検査を行うだけでも相当な時間がかかりそうだった。


 新婦であるフレデリカの親友で、隣国の姫であるルーナも既に到着し、ゲストの控室で待機していた。
 控室、といっても王女の結婚式ともなれば、それはもう豪華なもので。
 装飾だけでなく、ゲストへのサービスも超一流ホテルさながらのものだった。
 待ち時間にどうぞ、と選ばせてもらったフルーツジュースは、ストレザン領と王都でとれた最高級の果物をミックスして作ったものだそうだ。
 婚約者であるテネブラエの隣で笑顔を見せながらも、ルーナは不審でない程度に辺りを見回す。
 リエルタの重鎮に、他国の王族や高位貴族。
 王女と筆頭公爵家の結婚式というだけあって、ゲストの顔ぶれもそうそうたるものだ。
 王城周辺からここまで、警備は厳重であるように思えたが、もしものことがあれば、フレデリカだけでなく、各国の重要人物にも危険が及ぶ可能性がある。

――アル。どうか気が付いていて。

 なにも知らないゲストの顔をしながら、ルーナは心の中で祈りをささげた。
 できることなら、自分からアルフレドに会いに行き、あの手紙の差出人は自分だと伝えたいところだったが、彼は新婦の親族として別の場所にいるようで、まだ会えていない。
 大人しくソファに腰かけ、ジュースの入ったグラスに口をつけながらも、なんとかアルフレドに接触できないものかと考えていた。
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