【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 式のための正装に身を包み、赤みがかった茶髪をしっかりとセットして。
 前に会ったときから数か月しか経っていないというのに、ルーナには、彼が急に大人になったように見えた。
 ドアがしまると、アルフレドは感極まった様子でルーナに近づき、ぎゅっと彼女を抱きしめた。

「ルーナ……。無事で、よかった……。もう、大丈夫だから」

 アルフレドの声は、震えていた。
 彼の様子とこの言葉で、ルーナは、アルフレドに手紙が届いていたこと、真意を読み取ってくれたこと、彼が自分を守ろうとしていることを、理解した。

「……アル。アル。こわ、かった……。怖かったよお……」

 ルーナの瞳から、ぽろぽろと雫がこぼれ落ちる。
 婚約が決まったときからここまで、ルーナは泣きたくても泣くことができなかった。
 たまりにたまった涙が雪解けのようにあふれ出し、アルフレドの服を濡らしていく。
 姉の結婚式の前だというのに、アルフレドは服が汚れることになど構わず、愛しい人をその腕で支え続けた。
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