【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 夫のシュトラウスとしては、自分がフレデリカを抱きしめたいところではあったが、二人が抱き合い喜ぶ姿は、ここまで頑張ってきた男たちへの褒美のようにも思えた。
 フレデリカとルーナ。どちらか一方でも欠けていたら、この光景を見ることはできなかったのだ。
 シュトラウスとアルフレドが、それぞれに愛する女性を守り切ったからこその、今だった。

――フリッカのことは、二人きりのときに存分に抱きしめよう。

 シュトラウスはフレデリカの夫だから、二人きりになるチャンスはいくらでもある。
 今ここで彼女らに割り込み、自分の存在を主張するほど、余裕のない男ではなかった。
 この場では引き、あとでたっぷりフレデリカを愛することを決めたシュトラウスが、完全に見守る姿勢になったとき。

「あ、あー……ごめん。ちょっといい?」

 と、義弟・アルフレドが姫たちに割り込んだ。



「なあに? アル」
「なにかしら」

 二人の世界に突入していた姫たちだが、一応、アルフレドの言葉に反応はしてくれた。
 くっついたままの銀髪の王女と青髪の姫は、揃ってアルフレドを見やる。
 大好きな姉と愛する女性に一度に視線を向けられたアルフレドは、耐えきれずに「んぐっ……」と声を漏らしながらもなんとか持ち直し、姿勢を正した。
 なにか決意した様子の義弟を、シュトラウスが見守る。
 正式に結婚した今、義弟のアルフレドもシュトラウスの見守り対象であった。
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