いつしか愛は毒になる
「杏子、今日は高校時代の友人が家にくるんだったっけ?久しぶりに楽しんでくるといい」

「え……えぇそうね、ありがとう。それはそうと雅也、高坂社長から頂いたネクタイピンじゃなくて大丈夫?」

「そうなんだよ」

俺は髪をかき上げると、もう一度ため息を吐きだした。

「もし高坂社長から聞かれたら、早苗が今日の契約はどうしても父の形見のネクタイピンをつけて言って欲しいと懇願されたことにしようとおもってね」

「さすが雅也。で、持ってくるネクタイピンがどれかわからない早苗さんの要領の悪さに怒ってたんだ」

「そういうことだ、今日はベーグルか」

「えぇ、野菜もたっぷり入ってて栄養満点よ」

「杏子は本当に俺の自慢の秘書だよ」

杏子が嬉しそうに目を細めると、座っている俺の膝の上に乗り、頬にキスを落とした。

「ねぇ、自慢なのは秘書としてだけ?」

「勿論女としても最高だ」

俺はベーグルに手を伸ばしかけた掌を杏子の胸元のボタンにそえる。

「さあ、杏子からいただこうかな」

「もう朝から、ほんと困った人ね」

そう言いながらも、杏子が妖艶に笑うと俺のスラックスのベルトをゆっくりと外した。

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