いつしか愛は毒になる
「……先にシャワー浴びてこいよ」

「あら?待てるの?」

麗華が俺の方に向き直ると俺の首筋にそっとキスを落とした。そして白く華奢な指先が俺のスラックスのベルトを外す。

「大胆だな、電気もつけっぱなしで……」

「早く雅也さんが欲しいの……だってずっと抱いてもらうのを待ってたんだから……」

「しょうがない奴だな、今夜は朝まで嫌ってほど抱いてやるよ」

俺がネクタイを外せば麗華がふっと笑った。

「ねぇ、ネクタイって相手の心を縛るって意味があるらしいの」

「そうなのか、知らなかったな」

「でね……」

麗華は少し恥ずかしそうに俺を上目遣いで見つめてくる。

「なんだ?」

「引いたりしない?」

麗華のその表情と仕草でおおよその予測がつく。俺はあえて焦らすように麗華に訊ねた。

「しないさ。で、なんだ?どんなおねだりでも聞いてやるよ」

すぐに麗華が頬を染めると唇を一度結んでから、小さく開いた。

「うん……あのね……雅也さんのネクタイで私のこと縛って欲しいの……ダメ?」

「ふっ、いいよ。じっとして」

俺はすでに熱を帯びて膨張している下半身をそのままに、麗華を畳に押し倒すとネクタイで縛り上げた。そしてすぐに麗華を組み伏せた。

「いいね……こういうのも……麗華好きだよ」

「雅也さん……」

──その時だった。ふいに近づいてきた足音に俺は顔を上げた。

(ん?仲居か……?ま、来たところで、俺たちの声で察するか)
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