妖狐の末裔の狐森くんは、嬉しいと狐の耳が出てくる
具体的な関係
○学校
お昼休みを2人で過ごそうと約束していた今日。
並んで廊下を歩く西村と狐森。
一条「あ、琥珀ちゃん!」
西村「さく…一条先輩!」
一条「ん…?」
曲がり角から現れた一条に顔色が曇る狐森。
西村「わっ!椎名先輩!」
西村は一条の隣にいた女子を見つけた瞬間に抱きついた。
いきなりの行動に、驚きが隠せない狐森は目をパチパチさせた。
椎名「もしかして、彼が?」
椎名先輩と西村に呼ばれた女子は、髪が長くて違う学校の制服を着ている。
そして、そんな椎名先輩は狐森の方を見た。
西村「はい、彼氏の琥太郎です。
琥太郎、この方は一条先輩の彼女さんで私の大好きな人!」
狐森「彼氏…。」
狐森は誰にも聞こえない声量でつぶやいた。
一条「ふふ。笑 あの後、うまくいったんだね。
よかった。」
西村「あの後って?」
一条「ステージから2人のこと見えてた」
西村「そうだったんですか!」
楽しそうに笑う、3人と"彼氏の琥太郎"というワードが頭から離れない狐森。
狐森「僕って先輩の彼氏ってことですか!?」
西村「え?」
何を思ったのか、テンパった狐森はまぁまぁ大きな声でそう言った。
一条「あれ?うまくいったんじゃ…」
西村「え?付き合ってくださいってそれにはいって言ったじゃん。
私たち付き合ってないの?」
狐森の頭はパンク寸前。
付き合ったということはわかっていた。
だけど西村の彼氏が自分で、自分の彼女が西村だという具体的なことを理解していなかったために、言葉にされた瞬間に驚きが生じたのだ。
狐森「違う、付き合ってる!
僕の恋人は琥珀先輩で琥珀先輩の恋人は僕です」
椎名「なんか、家族に挨拶するときみたい。笑」
西村「ふふ。笑 確かに」