キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
日に日に激化する戦闘を捌き、やっと夜営の時間だ。
団長の指示で、死の森の中に忽然と出現するぷちぷち穀物畑を中心に夜営の陣を張った。畑を中心に盾魔法を張ると毒気がない分、魔力消費が少なくて済むとルテが提案したのだ。
穀物の香りがする陣の中は、盾魔法の力もあり快適だった。
「死の森の中に、どうしてぷちぷち穀物が生るのかしら」
「さあな。俺らは助かるけど。あー酒飲みてぇ」
ルテは首を傾げ考え続けたが、団長は深く考えずラッキーを受け入れた。
陣の中に入ったとしても、夜は気が抜けない。蜘蛛は基本的に夜型だ。畑を焼かない場所で盛大に火を焚いて威嚇していても、来る奴は突っ込んでくる。
団長が固く張った盾魔法の中でサーシャが皆に食事を振舞ったあと、火の前に座ったレオナルドがサーシャを呼んだ。
「サーシャ、座って」
「はい、何ですかレオさん、ってン!」