キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

サーシャはレオナルドから触れられるのは全く嫌ではない。常にすり寄って来るレオナルドが大きい甘えん坊みたいで可愛く感じていた。だが、団員の視線は気になる。二人きりならもう少しこの熱に甘く浸れるのにともったいなく思う。


「サーシャ」


首筋でレオナルドが小さく声を届ける。


「俺から絶対離れるな」


サーシャがきょとんと首を傾げると、レオナルドがまたちゅっと唇に可愛いバードキスを贈る。味がしない愛してるキッスだ。


「大蜘蛛の様子が変わってきた。目的の洞窟が近い証拠だ」

「巨大蜘蛛ですね」

「硬度が上がって、狂暴化、あれが群れで襲ってくると相当厄介だ。俺しか捌けなくなってきた」


一般団員では巨大蜘蛛一匹相手に多くの手が取られた上に、逃げる時間を稼げるかどうかだと読める。背後をもう一匹の巨大蜘蛛に襲われたらもう出す手がない。


レオナルドがいない場合、即時撤退しかない状態だ。
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