忘れられた恋の物語
私の言葉に照れたように斗亜は笑い、私に聞いた。


「今日は何する?まだ決めてなかったよね。」

「そうだな…斗亜は何かやりたいことはない?前に私が行きたかった遊園地には一緒に行ってくれたでしょ。」

「やりたいことか…。」


少し考え込んだ斗亜は言った。


「柚茉と一緒にいられればそれでいいんだ。このまま1日中バス停にいても楽しいと思う。」

「え…。」


予想外の答えに胸がキュンとした。


「だから柚茉が行きたい場所に行こう。」

「うーん。それなら最後に遊園地にもう1回行く?」

「遊園地に?」


疑わしげに私を見る斗亜に反論した。


「違うよ!激しい乗り物に乗ったりしない!ただ前に行った時みたいにゆっくり過ごすの。」

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