忘れられた恋の物語
斗亜が首をかしげて聞いた。


「どうしてもう1回遊園地に?柚茉は行ったことない場所に行きたいって言うかと思ってた。」

「きっとこの先、ほかの人とは行かないから。」

「え…?」

「遊園地は斗亜との思い出の場所になるから、もう行かないと思う。思い出しちゃうから。だから最後に一緒に行きたいの。前回は途中で帰っちゃったしね。」


斗亜が口をつぐんで下を向いた。


「…今ので実感した。本当に最後なんだね。柚茉に会えなくなるんだ。」


じわりと涙が滲んだけれどぐっと堪えた。


「でも今日はこれからだよ!行こう!」


私が差し出した手を斗亜はぎゅっと握った。


「そうだね。行こう。楽しく笑って過ごそうね。」


私たちはバスに乗り込み遊園地へと出発した。

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