忘れられた恋の物語
私はベッドから降りて斗亜の方に向かった。

最後の日だからやっぱり隣に座って話したかった。出来るだけ彼に近付きたかった。


「やっぱり隣に座ってもいい?斗亜が寝たらちゃんと自分のベッドに帰るから。」


いつも落ち着いている斗亜が一瞬、動揺したような気がした。そのまま返事が返ってこなくて不思議に思っていると、決意したように彼がゆっくりと頷いた。


「いいよ。おいで。」


許可をもらって隣に座ろうとした私の手を斗亜が掴んだ。


「でもそこに座る前に考えて。俺にキスされてもいいか。」

「えっ…?」


自分の顔が紅潮していくのがわかった。彼の目は本当に真剣で冗談で言っているわけではないことを物語っていた。


「ごめんね。怖がることはしないって言ったけど、好きな子が近くにいたら触れたくなるんだ。」

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