忘れられた恋の物語
「…ほらね。すぐにやめてくれたでしょ。」

「…でも、柚茉を怖がらせた。ごめんね。」

「怖かったわけじゃないよ。でも息が出来ないし、どうしたらいいかよくわからなかったから。キスしたのも斗亜が初めてなのに。」


するとそれを聞いた斗亜が少し笑った。


「なんで笑ったの?」

「俺も柚茉が初めてだよ。だから正直俺もよくわからない。」

「うそだよ。初めてなわけない。あんなキスするのに。私より1歳年上なだけなのに経験豊富なんだね。」


キスが終わって余裕ができたのか、急に込み上げてきた嫉妬心を彼にぶつける。それなのに斗亜はまだ笑っていた。


「経験がなくても好きな子が目の前にいたら男はああなる。少しでも長い間キスしてたくて。」

「…うそつき。」

「…俺もあんな感情初めてだった。柚茉を逃がしたくなくなった。でもやりすぎた。ごめん。」

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