忘れられた恋の物語
「謝らないで。嬉しかったよ。斗亜にキスされて。」


申し訳なさそうにしている斗亜に近付いて座った。

そして私からキスした。

唇を離して斗亜の表情を確認すると、目を見開いたまま固まってしまっていた。


「これでおあいこ。私も奇襲したからね。」


それだけ言って自分のベッドに戻り、斗亜の顔を見てみると真っ赤に染まっていた。

さっき自分はもっとすごいキスしたのに。


「横になってもう少し話してようよ。」

「そ、そうだね。」


放心状態の斗亜は、私につられて自分のベッドに横になった。


「斗亜。聞いてもいい?答えなくていいから。」

「うん。」


お互いに向かい合うような姿勢で横になって、見つめ合う。どちらも目をそらすことはなかった。


「どこに引っ越すの?」

「…海外だよ。」


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