心優しい国王は王妃を堂々と愛したい
それから二人は、
自分たちの子供の頃の話をした。
フレイアが実はヘリヤ女王と血が繋がっていないという話は
オーディンにとっては驚きだった。

確かに、
あの気性の激しい魔女のような女から
こんな清純な娘が生まれるのだろうかと疑問に思っていたので
そういう意味では実の親子ではないというのは納得だった。

「本当の母は物心ついた頃には既に病魔に侵されていましたし、実の父も女王の怒りを恐れて私を可愛がってくれることはありませんでした。だから私の家族と言える存在は乳母だけなんです。乳母は一般家庭の人間ですから、私も貴族らしい生活はしたことがなくて。だからヴァール様を見た時は気後れしてしまいましたの。私なんかとは佇まいが違うのですもの。こうして陛下とお話していることも私にとっては畏れ多いことです。」
フレイアは困ったように笑う。
「そんなことはない。王妃の生まれ持った気品は一般の貴族令嬢とは比べ物にならない。それに私も贅沢は苦手な質でね、こういう落ち着いた空間の方が性に合うんだ。」
これはフレイアへの気遣いからというわけではなく、オーディンの本心だった。

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