君と3ヶ月の思い出を

真実

やっぱり慧の家で食べるご飯は1段と美味しくて、おなかいっぱい食べてしまった。食べ終わると、慧ママは沢山お土産をくれた
「残り物で申し訳ないけど、多分冷蔵庫に入れてたら1週間は持つから!ママ達によろしくいっといてね〜」
と笑顔で送り出してくれた。帰ろうとするとパーカーを羽織った慧が
「送っていく」
と言って準備をしていた。なんか、ちょっと気まずいなぁ、なんて思いながら、慧と一緒に夜道を歩いた。秋も終わりを迎えそうな雰囲気を出していて、少し肌寒い。だけどなんかこの温度が好き。だけどそれももう…胸が苦しくなる。いつ、別れを切り出そうか。別に恋人でもないのに別れを告げるって変か、なんておもいながら、2人で帰る。2人で帰っているのに何も話さいから1人で歩いてるみたい。
「ねぇ慧」
目が合う。あぁ、ここまで来たら止められない。慧は、驚いた顔をしている。自分の足元には、雨なんて降ってないのにコンクリートに水滴が滲んで、花が咲くようにひろがる。「慧の3ヶ月を私にちょうだい?」
言ってしまった。慧は何を言っているのか多分かっていなかいが、とりあえず泣いている私をどうにかしようと思ったのだろう。私を抱きしめた。強く抱きしめられて苦しいのに私の心臓がうるさくて、苦しくて仕方がない。
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